矯正治療をこれから始めようと相談にいらっしゃるの方の多くは、矯正装置は歯に着ける銀色のものと針金だと思っているようです。
確かにこれも矯正装置の1つですが、これは主に永久歯の仕上げの治療に用いるものです。
永久歯がすべて生えそろっている中学生以上の方で歯並びが悪い人は、それ以前の時期にも歯並びがあまりよくなかった方がほとんどです。
乳歯の前歯が抜けて、永久歯の前歯が出てくる小学校1~3年生の段階である程度将来の歯並びは予測できます。
その早期に矯正治療を行うことももちろん可能です。
むしろそういった時期のほうが骨の成長を利用できるので、永久歯がすべてそろってから矯正治療を開始するよりも、より柔軟な治療ができる場合が多く見られます。
また指しゃぶりや舌の悪い癖が原因で歯並びに悪影響を及ぼしている場合の治療もこの時期に検討すべきことです。
そのときに使う装置は冒頭で申したようなもののみではありません。
それは歯を動かすことだけが目的ではないからです。
顎の骨の成長をコントロールするものかもしれません。でこぼこを予防するために歯が並ぶための隙間を作るものかもしれません。
もちろんすべての方に早期治療が最良というわけではありません。
顎の骨の状態や成長の程度により様子を見たほうが良い場合もあります。
では、いったいいつ矯正治療を考えればよいのでしょう?
7歳頃がひとつの目安です。
前歯が抜け替わる時期です。すべての方がこの時期にすぐ矯正装置を必要とするわけではありませんが、歯並びが悪くなる兆候が見られるこの
年齢に専門医の診断を受ける、ことはその後の不正を最小にとどめておくために必要なことだと思われます。